忍び寄る足音

とある猟団に加入申請を出そうとボタンを押すと、俺はてっきり何らかのメッセージを入力する画面でも出てくるのだろうと思いきや

まるで何事も無かったように「申請しました」とそっけないメッセージが表示された。

向こうはどんな感じでそれを受け取るのか知らないが「感じ悪いことこのうえない」のでは無いかと。

発射されたミサイルの進路を変えるような装置はついておらず、後はもう着弾を待たねばならない。

でもまー押しちゃったボタンに向かって「ごめんなちゃい」と言ったところでどうにかなる話ではないので気を取り直してクエでもやろう。

って思ってたら画面左下にチャットウインドウが開いた。友人の昆布から通信だ。

「順調かい?」と書いてますね。

そのままチャットで「もうHR99だよ」と打ち返したら残念ながら「囁き」ではなく「その場の全員」で打ったため、

同じルームにいた10人くらいの人にとんでもないアピールをしたのは間違いない。

もちろんHRが16までしかそこには存在できないのだからそれがプラフであることは伝わっているのであるが・・・。

昆布と合流しボスクエを軽く流してポイントゲットしたところ、酒場にポツンとキャラが待ち構えていた。

その装飾からして俺とタメ張るほど低レベルではないのが一目瞭然。

俺が加入を申し込んだ猟団の広報担当の人らしい。

つまりこれは入団テストということだろう。

そんなわけで絡んだばかりの昆布を適当にあしらった。

今の俺に重要なのはリアル友人ではなく、

これからネットフレンドになるかもしれない「鬼軍曹」なのだ。

昆布よりもさらにパイオニアであろう鬼軍曹の話を聞くところによると、HRを31以上にしないと話にならないらしい。

ロンよりショウ子でボスクエに連れて行ってもらうと、

俺が背中のハンマーを構えて今まさに振り下ろさんとする・・・いや、、、、、

その背中のハンマーを構えるモーションに書き換わる前にクエは終了した。

(・_・ ふむふむ  「楽しむ」ためにはどうしてもレベルが必要ということか。

鬼軍曹氏の協力の甲斐があってようやくHRが2へ昇格。

ところがここで想像通りの悲劇がやってきた。これ以降、無課金ではHRPがもらえないからやる気が萎え萎えに。

中折れするのはリアルだけで間に合ってる俺は、免許証や名刺と同サイズの大人なカードを持ち出した。

そういうわけでアッサリ課金。

この購入のとき、俺は耳にイヤホンを装着しながらパソコンに向かってそれなりにデカイ声を出して話しかけていた。

パソコンの向こうの世界には友人の昆布がいて彼の声はスピーカーから聞こえてくるのであるが、

きっと後ろからみたらすごい光景だと思う。
(要するにスカイプやってたんよね)

家庭持ちのくせにこんなことが出来るのは暗黒とケントがすでに寝ているから。

にしても、、、、怖い。怖すぎる。

もしもいまこの状況を暗黒に見つかるとしよう。

するときっとこんな感じになるんじゃないかと思うのです。

暗黒:あんた・・・何をひとりでブツブツ言いよるん?

ユカイ:いや・・・その。。。スカイプを・・・

暗黒:なんかえそれは?さっきからうるせーんや。

ユカイ:はいはい。。もっと小さい声で喋ります。

昆布:なんだユカイ?どうした(・_・?

スピーカーから漏れる昆布の声

ユカイ:いやww ちょっといま嫁さんが・・・www

そして、あきれた顔した嫁さんの目に映るのは、「月額1400円 購入」と書かれたブラウザのページ。


困った顔した俺の左手には銀色に輝く
クレジットカード

暗黒:何をしよんのかえ?

マイクは無情にもその怒声を拾い上げ、遠く神奈川の昆布の元までクリアな音質でお届け。

とまぁそういうことになる可能性があるわけです。

俺は忍び寄る足音に5感の全てを集中させていました。

さっき俺は「アッサリ課金」と記述したけどそれは右手に限ったことであって、脳みその中はすごいことになってたわけです。

30日1400円をついに買ってしまった。明日から30日間やめられないなー。